筋トレは何回で何セットすればいいのか?最適な強度設定を知る
トレーニングをがむしゃらに始める前に効果的な強度設定を知っておきましょう。目的地にたどり着くには戦略が必要。筋トレならセット数や回数を正しく設定する事がボディメイク戦略として必須です。この記事を読めば、最短で筋肉をつける強度設定の理論が3分で理解できます。初心者から中級者も知っておきべき筋トレ攻略です。
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筋トレの強度って何?
筋トレで効果を出すには適切な回数、重量、セット数を設定する事が大事です。強度設定を無視した筋トレは効果を最大化できません。
例えば胸板を厚くしようとして、腕立てを毎日1000回やっても筋肥大には効果的と言えません。もちろん全然効果がないとは言えないのですが、もっと効率的に大胸筋をつける最適な強度設定があるんです。
強度設定の話の前に、ベース知識となるRMについて知りましょう。中級者もおさらいして下さいね。
強度設定の基本RMとは?
RMとは...
レペティション・マキシマム【Repetition Maximum】の略で、頭文字からRMと呼ばれ、ある決まった重さに対して何回反復して関節運動を行うことができるかによって運動強度(重さ)を決める方法です。1回が限界の負荷を1RM、最高5回繰り返せる負荷を5RMというように表します。
つまり1RMとは1回がギリギリ挙上できる重量の事です。
筋トレ強度はRMを基準に話をすることが多いので、今から筋トレを始める人も知っておくべき基礎知識です。
このRMで注意したいのはギリギリできる回数というところです。
たとえば、ベンチプレスを10回やったからと言って、それが10RMとは限りません。頑張れば12回できる重量で10回で止めた場合、それは12RMの重量を10回やったと言う事です。
あくまで最大反復回数できる重量設定ですから、10RMなら10回以上挙上出来ない重量設定となります。
そして、RMを目的に合わせて設定する事で効果を最大化できます。
このRM換算表は書籍によって若干範囲が違いますが、大まかな回数と目的は知っておくべきです。
筋肉を大きくしたいなら、8回〜12回できる重量が最適と良く言われるのはこのRMデータがあるからです。
僕も基本的には8〜12RMでトレーニングは行うようにしています。
ただ、最近の研究では20回以上のハイレップスでも筋肥大は起こると言うデータも出ています。
◾️マクマスター大学のBurdらの実験
Burdらは筋タンパク質の合成作用に対する総負荷量の影響を調べるために、低強度・高回数と高強度・低回数でのトレーニング効果について検討しました。
被検者はレッグエクステンションを1RMの90%で行う条件、1RMの30%で行う条件の2条件を疲労困憊になるまで実施しました。トレーニング後の24時間の時点で筋タンパク質の合成率が測定されました。
1RMの90%の高強度トレーニングでは、疲労困憊までの回数が5±0.2回と低回数であり、1RMの30%の低強度では24±1.1回と高回数でした。その結果、運動強度と運動回数をかけ合わせた総負荷量は、高強度の条件よりも低強度の条件で高くなりました。
Fig.4:Burd NA, 2010bより引用改変
そして筋タンパク質の合成率においても低強度×高回数の条件が高強度×低回数の条件を有意に上回ったのです(Burd NA, 2010b)。
Fig.5:Burd NA, 2010bより引用改変
これらの結果が示すことは、1RMの30%の低強度であっても、運動回数を疲労困憊まで行い総負荷量を高めることで、高強度と同等かそれ以上の筋タンパク質の合成作用が期待できるということです。
引用元;http://www.rehabilimemo.com
このデータでは総負荷量=重量×回数を増やせば、軽い負荷でも筋肥大を引き起こすことが示されました。
ですので、ケガなどで8RMのように高重量が扱えなくても回数を多くすれば筋肥大は可能ということですね。
実際にサージヌブレと言う伝説のボディビルダーはヘビーウエイトではなく、軽い重量で高回数のトレーニングを好んで行なっていたのです。
↑軽負荷ハイレップスで鍛え上げたサージヌブレ
ただし、軽くても筋肥大は起こると言っても、実際に何十回もレップスをこなす筋トレはツライんです。実際にやってみると体感しますが、20RMって地獄みたいにしんどいです。
それに高回数は時間もかかるので、結局8〜12RMが筋肥大には現実的かつ高効率と言えるでしょう。
RMについてのまとめ
- RMとはギリギリできる重量設定の事
- 筋肥大には8〜12RMが最適と言われている
- 最近の研究でハイレップス(20RM以上)でも筋肥大が起こると分かった
- ハイレップスはキツいし時間もかかるので、8〜12RMが高効率
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筋トレ効果を最大化するセット数は?
RMが理解できたら、セット数について考えていきます。セットと言うのは、種目を何周するかと言う事です。
例えば、ベンチプレスを10RMで3セット行う場合は、ベンチプレス10回を3周(合計30回)ということになります。
セット数も筋肉をつけるのに最適な回数があります。セットは多いほど良いと言う人もいますが、決して万人に効果がある方法では無いと思います。
一般的には3セットという考えが広まっていますが、2012年のノッティンガム大学のKumarらの研究でも3セット理論についてデータが示されています。
◾️2012年ノッティンガム大学のKumarらの研究
トレーニング歴のない男性12名(平均年齢24歳)です。レッグエクステンションを1RMの40%の運動強度で14回行う設定とし、3セットと6セットを施行した際の筋タンパク質の合成率を比較しました。
その結果、トレーニング後4時間までの筋タンパク質の合成作用は3セット、6セットともに増加しましたが、有意な差は認められませんでした。
引用元;http://www.rehabilimemo.com
このデータでは初心者のみのデータですので、筋トレ初心者には有益な情報だと言えます。今から始める筋トレ初心者は5セットも10セットもやる必要はなく、3セットが最適なセット数と言うことですね。
筋トレ歴の長いトレーニーについては、有益な研究データは見つけられていません。ただ、コンテストに出場しているようなレベルの選手は理論もやり方も十人十色です。
セット数は筋トレの上手さにも関係があると思ってますので、上手い人は1セットでも十分に効果が出せると思っています。
実際に筋肉博士こと山本義徳氏の著書『筋肥大・筋力向上のプログラミング』でも、1セットで効果が出るデータを参考文献として引用しています。
引用元;山本義徳 業績集8 筋肥大・筋力向上のプログラミング
初心者の場合は、筋肉に効かすよう上手くなるために複数セットやる必要がある。ですが、マッスルコントロールの上手い中上級者は1セットでも十分に筋肥大に必要な刺激を入れる事も可能だと考えます。
追い込みが上手くできる筋トレ上級者であれば、3セットもすると逆にオーバーワークになる可能性も示唆されています。
追い込むなら1セット、追い込まないなら3セットと言う考えが今のところ最も最適なセットの組み方と言えます。
セットについてのまとめ
- 筋トレ初心者の筋トレは3セットが最適
- 中級者以上は1セットでも十分な場合がある
- 追い込むなら1セット、追い込まないなら3セットが最適
まとめ
筋トレを始める前に知っておきたい強度設定についてお話ししました。筋肉をつけるにはどれくらいの重さで何回、何セットすべきか?- 初心者なら8〜12RMで3セットがベスト。
- 中上級者の場合は、追い込めれば1セットでも筋肥大が起こる。
- 20RM以上のハイレップスでも筋肥大は可能だが、精神的に辛いし、時間もかかる。
強度設定は筋トレする前に考えるべき戦略です。適当に強度を決めて不安を抱えて筋トレするより、自分で納得して決めたトレーニングをした方が圧倒的に効果が出ます。
効果を最大化させるためにセット数、RMでの強度設定を今から見直しましょう。
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